Gallery(セピア色の世界)

一個の名もないオルゴールに魅了され、そのすべてが人の生きざまと重ね合わさった。オルゴールという小さな舞台で、ゼンマイの回された数だけ、音楽の流れるなかを懸命に踊り続けるその姿は、まさに人の生き方そのもののように思えた。

 

オルゴールの舞台だけを見ている限り、その世界の小ささに、か弱く寂しさを覚えるであろう。だが実在の人間の生きざまは、いずれにしてもダイナミックそのものだ。そこには優雅できらびやかな時間もあれば、哀愁に満ちた時間もある。まさにそれは織物のよう。

私の作品は、そうした人の様々な模様を、想像の人物や人形に託し表現している。一人に一つの舞台がある、これを描くことが私のライフワークである。

  

私がオルゴールのネジを巻くとピロが動き出す。私はオルゴールが奏でる曲を聴きながらぼんやり時を過ごす。そうしていると不思議にいろいろなイメージが湧いて来る。

 

そっと瞼を閉じ不思議な世界のドアーを開ける。そこにはピエロや楽士、人形使いや手品師等が歌って踊っている。そして猫や犬達も踊りだす。私もいつの間にかみんなの世界に入っていた。

 

夢が覚めると思い出はブラウン色に染まっていた。そして夢を思い出すととても楽しくなりブラウン色が次第にカラフルになる。

When I roll the screw of the music box, Clown starts to move. I idly spend time while listening to the music that the music box plays. Wondering when it is doing, various images come up. Gently close the eyelids and open the door to a mysterious world. There are clowns and musicians, dolls and magicians singing and dancing. Cats and dogs also dance. I also entered the world of everyone before I knew it. When I awoke, my memory was dyed brown. And when I remember my dreams I am having a lot of fun and the brown color gradually becomes colorful.

 

  夫婦(couple) Watercolor(103x73cm)

      助け合い(Help each other) watercolor103x73cm

五重奏(Quintet)watercolor 103x73cm

 

「セピアの世界」の活動の中でとても印象深いのは、文芸春秋

ギャラー(東京)での個展、大阪梅田百貨店での個展、そして静岡県文化財団グランシップ(静岡市)季刊誌の表紙の仕事はとても楽しかった。

 大阪梅田百貨店7階ギャラリーでの個展

 グランシップの表紙